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北アルプスの眺め

 

今冬の冷え込みで5年ぶりに諏訪湖に御神渡り(おみわたり)見られると、出かけました。もちろんそれだけが目的ではなく、車にはスノーシュー、かんじき、アイゼン、長靴…とあらゆる“足回り”を乗せて、御神渡り見物後にはどんな状態の山でも遊べるように出発したのでした。

(写真は全面結氷している諏訪湖・諏訪湖SA上りより、奥に見える山は鉢伏山方面)

この日は大雪で大変な事になっている日本海側も含めて移動性高気圧が張り出し穏やかな天候になった一日。狙って行った訳ですが、その通り、中央高速が笹子トンネルを過ぎた所よりまずは南アの眺め、次は甲斐駒と同時に右手には八ヶ岳、そして小淵沢を越え諏訪湖に向かって標高が変化する頃になると正面に白く屏風を立てたように北アルプスの3000m級が見事に連なるのが目に飛びこんで来ました。同行の山友達と夢中になって「穂高だ、大キレットだ!」と喜んでいたら・・・「アッーー!!」下りるべき諏訪湖インターチェンジを一瞬に通り過ぎてしまったのでした。引き返すことも出来ず、御神渡りは諦め車中ではすぐに次なる計画案を。山の引き出しを沢山持っているので、こういう時にはどうにでもなるのです。

そこで思いついたのは、折角の冬の晴れ間、北アルプスの眺めを堪能しようと大展望台のある長峰の並び「光城山」(ひかりじょうやま)に向かうことにしました。

 

この山は長靴(スパイク付)でも十分な、地元の人にとっては朝飯前のお散歩コースの裏山です。が、上に行けば超一級の大展望。高速道路では遥かだった常念も近づいて、その続きには美しい鹿島槍や白馬三山が見えます。最高の眺めです。

結局、山頂で夢中になってスケッチ三昧での2時間という超長居となりました。好天でも到着した頃より昼近くになるとだんだん空気の透明感も薄れ雲も少しずつ出てきました。ちょうどいい頃合いでお茶にして下山開始。と言っても登山口に戻ったのはまだ午後1時を回ったくらいです。折角なので下道を走りながら松本市街に向かい、いつも松本に行くと顔をだす画廊喫茶「Gargas・ガルガ」に立ち寄りちょっと遅い昼食と美味しいデザート、オシャレな展示を見てからゆっくりと帰途に着きました。一瞬の“ミス”が結果的には最高の眺望と思いがけない松本訪問をプレゼントしてくれた一日でした。