梅雨前線を避けて新潟方面に車を走らせていたのですが、どうも寒気の影響で行く先の空模様が不安定の様子。と、関越道の赤城ICと昭和ICの中間、高速に近い位置に目立つ山=子持山(こもちやま)=がすっきりと見えていました。榛名山や赤城山は山頂付近を全体、雲に隠しているのに都合よくインター近くの山が晴れているとなれば、すぐに予定変更で赤城ICにて下車。
子持山を特徴付けているのは、この屹立した岩峰「獅子岩」ですが、上の写真でも一番左に尖ったサイの鼻のように見えるのがそれです。
登山口の沢沿いの道から暫く急登をこなすとこの獅子岩の基部に出ます。そこからは足元に注意しながら岩場を回りこみ、本体の岩そのものは備え付けられた鎖梯子や鎖頼りによじ登ること暫し、でポンッとグルリ360度の展望台、岩峰のテッペンに飛び出します。スリリングな味わいの中で速攻のスケッチを5分。
この獅子岩を過ぎ、本来の山頂に向かえば、上部は岩と木の根が絡み合うような急登を手足を使いよじ登るようになります。大昔、火山から流れでた溶岩の上をなぞって登っているのが実感させられるような厳しさでしたが、しかしこの日何よりも一番心惹かれたのが、このコアジサイの花の美しさでした。急登が始まるとほとんど「コアジサイの道」あるいは「コアジサイの森」と言ってもいいほど、淡い紫や清純な白で涼しげに咲くこの小さな花に埋まっていました。これは頂上に着くまで続いていました。好きな山の花のなかでベストスリーに入るコアジサイ、丁度その花期に出会うことができ、その花に導かれるように登ったこの山のことは忘れることはできないでしょう。