先の松田での「ろうばい祭り」の折、丹沢湖・玄倉(くろくら)にある「丹沢湖ビジターセンター」に立ち寄りました。
このセンターは来る3月末日にて閉館することが決まっています。その前に、職員の方にご挨拶方々、又同行の山友さんが「クマ調査」の為の情報収集をしたいこともあり立ち寄りました。
閉館の理由は一言、緊縮財政のようですが、西丹沢にはもう一箇所別に「西丹沢自然教室」があるからいいではないか、とか…。しかし両者の機能は全く異なったもので、実際「西丹沢自然教室」にはこの「丹沢湖ビジターセンター」の‘代わり’は出来ません。
目に見えるビジターセンターの入館者数は確かに少ないかもしれませんが、センターの持つ機能は‘来館者’だけではありません。寧ろ表面には出ない、長年蓄積された地域の自然情報、その推移の把握など、職員の方々が日々現場に豆に足を運んでいるからこそ収集できるものがあり、それこそが他に代えがたい「財産」なのです。
そうした情報は今回の「クマ調査」のような専門的なことをしている人にとっても貴重であるばかりでなく、一般登山者や引いてはオートキャンパーなどの観光客にとっても時には重要な情報発信の元となっているのです。すべて一朝一夕に成るものではありません。
そうした事を考慮せず、財政面のみでことごとくこのような施設を切り捨てていこうとする神奈川県の方針に疑問を抱きます。黒岩知事は多くの人を県内に呼びこもうと奮起しているようですが、昨今の自然の猛威など考えると、こうした地道な活動をし続けてる機関の閉鎖は、のちに取り返しのつかない事になるのではないかと危惧します。(後日訪ねた「宮ケ瀬ビジターセンター」も同様に危うい状況の気配らしく、愕然としました。)