
私が所属している日本山岳会では年に一度、会員から供出してもらった本を会員同士欲しい人に安価で譲って、大切な本が無駄にならないよう交換会を開催しています。
それを主催しているのが図書委員会。今までは暮れに全国からの会員が東京のホテル会場に集まる「年次晩餐会」の日の午後に行っていましたが、コロナ禍の時に続き、今回も日本山岳会のある市ヶ谷のルームで開催しました。
ホテルの広い会場と違い手狭な場所で、如何に数百冊という本を並べるか…。委員の一人(同じムサ美出身の仲間)が安く手軽に作れる段ボール本立てを“考案”し、平置きせずに上手く立てかけられるように工夫しました。
本をこうして並べるまでには、昨年秋から提供してもらった本を一冊一冊、書名・著者名・出版社・発行年月ほかの細かい入力作業を行っての目録作りなど大変な事務作業があるのですが、すべて委員のボランティアです。

出来上がった目録を会報と一緒に全国の会員に送り、希望する本を事前に連絡してもらいます。希望者の多い本は抽選となります。
抽選は写真のような、数字の書いてあるピンポン玉を箱から拾うという“原始的な”方法です。人気のある本には10人以上の申込希望者がつき、激しい?競争となります。
当日は都内だけでなく、静岡など遠方からもこの交換会に参加し、実際に本を手に取り見ながら欲しい本を探す会員もいらして盛り上がります。
一部、無料のガイドブックや地図もありますし、多くは100円〜500円。しかし中には手に入らないような貴重なものもあります。幾つかのそうした貴重本は「入札本」として競って落札されます。
日本山岳会内輪での交換会ですが、会員層も山岳書に対する思い・博学ぶりもあついなかでの行事。初版本や特装本、また登山界ではレジェンド的な著者のサイン本もかなり含まれている点も魅力です。