山になかなか行けない生活になっていますが、この講演会だけは外せない!と先日参加してきました。
これは日本山岳会の自然保護委員会・全国大会が高尾にて一泊二日で開催されるなかの基調講演でした。会報「山」に予定情報が掲載されていて、講演者が内山 節とあったのを目にして、自然保護委員でもない私ですが、知り合いの会員の方にお願いして、そこだけの参加を申し込んだのでした。
内山 節氏は1950年東京生まれの哲学者。20代の頃から東京と群馬県上野村に居住し、存在論、労働論、自然哲学などについて独自の視点で探求する=とウィキペディアにあります。私は「東京新聞」の月イチ週末のコラムで内山先生の登場を心待ちにしていて切り抜きをし、その他の本も少しずつ読んでいました。自然と共に生きる事を大切にした考え方に深く惹かれ、先日の講演会ではリアルなご本人の話をうかがえるとあり、大感動の一日でした。<写真は当日の会場の様子>
写真は自分の席からそっと撮影させてもらったものです。講演前に席に座って表を見ながら何かを考えてられるような姿です。
先生は哲学者の肩書のほかに奈良の修験道「金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂・名誉大先達」だそうで、当日のTシャツは梵字があしらわれたそこのオリジナルとの事。夏はもっぱらこれで過ごしてましたと。
当日は最後の質疑応答含め2時間近いお話でしたが、自然にとの関わり合いについて深く、且つ分かりやすくお話しされました。
哲学というと難しい理解不能の言葉の羅列を想像しますが、内山 節ほど平易な言葉で哲学を語ってくれる人はいない、そう思います。難しいことを易しく、です。当日のお話は自分用に録音し、帰宅後にミミズが這ったような(自分でも読むのが限界の)ノートを元に、学生のように必死になって纏めました。それは私の宝物となっています。
<内山 節の著書>
たくさんたくさん出ていますが、最近読んでいるのは岩波書店から出ているこの本です。当日はこの本を持って行っていたので、上記の講演前のスキをついて図々しくもサインをお願いしました。(ちゃんとサイン用のサインペンも持参していた訳!)
・「いのちの場所」新潮社
講演と本の内容が重なる部分も多く、お話を聞き「本に書いてあった事はそういうことだったのか…」と理解を深めたり楽しく聴くことができました。
これからも少しずつ内山 節の著書を読んでいきたいと思っています。参考までに少しご紹介致します。
・「内山節著作集」(全15巻) 農山漁村文化協会
・「文明の災禍」 新潮新書
・「戦争という仕事」 信濃毎日新聞
・「怯えの時代」 新潮選書