コロナ禍は多少感染者数が減っているとは言え相変わらず、天候不安定も相変わらずで、今回も少し前に行った山の話です。
当日はまずまずの天気で、当初の予定は赤城山方面、人の少ないであろう大沼北側(出張山〜薬師岳〜陣笠山)周辺を歩くつもりでした。
が、どうも雲行きを見ていると群馬方面より中央道方面の方が良さそうです。圏央道を走りながら、いつもの山仲間のIさんと八王子JCTのぎりぎり手前まで悩み、結局八ヶ岳にむけハンドルを左に切りました。
でも多分、これが結構正解だったと思っています。行く先はこれ又悩んだ末、久しぶりに「にゅう」に登ることにしました。雲が多目ながら、これがまずまずの好天で、展望も得られました。
数回登っていますが、例の如く、山頂の雰囲気をおぼろに覚えているだけで、ほとんど記憶がありません。最近はかつて登った山も、どこも初めての気分で登れます。
<写真は「にゅう」の山頂 岩場の上の三角点>
“観光地”の白駒池から登山道に入り、苔むした岩ゴロの山道を汗をかいてひと登りします。すると、それまでの鬱蒼とした樹林の薄暗い登山道から突然、パッカーン!と眼の前が開けた明るい湿原に出ます。
これはどこの湿原でもよく経験しますが、特に小さな湿原だと「突然現れる感」にハッとさせられ、なんとも言えない快感なのです。
未開地や前人未踏のヤブ山が大好きだった西丸震哉という登山家は、無類の湿原好きでした。地形図を眺め透かしては、人知れずひっそりと在る小さな湿原や池塘を見つけて、それを探し求める「探検」藪こぎ山行をしていたそうですが、ちょっぴりその憧れを感じられるような気がしました。
<写真はその白駒湿原>