翌朝は気持ちのいい青空で迎えました。今思えば、秋雨前線がその後すぐにやって来ようとは考えもしなかったですし、不安定な天候続きの毎日を考えると、貴重な好天だったわけです。
この写真は、視界のない草原から一気の登りでまず縞枯山ピークへ行き、樹林帯から展望台の岩場に上がった所で目にした“絶景”、一列に連なる南アルプスの名峰たちです。空の雲は刷毛で引いたようで、すでに秋を感じさせます。これは山小屋に泊まったご褒美のようなもので、まだ誰も居ない山頂をSさんと“二人占め”。麦草峠からやってくる朝一番の登山者以外、少なくとも縞枯山荘側からは誰も居ないわけです。
しばし展望を楽しんで、次なる茶臼山の展望台に向かいました。
そこでは縞枯の展望台以上の好展望で、少し早めのランチタイムと一緒に、たくさんのスケッチタイムをもらい何枚も描くことができました。
思う存分描き終えて、あとは下山のロープウェイ山頂駅に向かうだけ。晴れ渡っていた空も、その頃には夏の雲が沢山わき立っていました。
これも思い返せば、夏山登山が充分に出来なかった今夏のなかで、とても幸運だったと思います。下界ではその後、コロナ感染爆発が「災害級」とも言われるほどになり、天候の悪さと相まって、ほぼ身動き取りにくい状況になっています。