この季節になると近郊の低山歩きが最高です。山と日本山岳会の大先輩であるY氏のお誘いで、数人の山仲間と小春日和の一日、JR藤野駅からタクシーに乗って舟山を訪ねました。
神奈川県相模原市・藤野町は「アートの棲むまち 藤野」と謳い「藤野芸術の家」があり、町内の道は「芸術の道」として様々な彫像やアート作品が展示されていて、そぞろ歩くだけでも愉しめる町です。町の東端の日連橋(ひづればし)を渡り、町中から離れ南に下っていくと菅井とか綱子という小さな集落があります。道志川の北側に位置し、丹沢山塊の北面を見据えるかたちになります。この当りで一番“有名な山”は峰山でしょう。今回向かった舟山は、この峰山の近くです。
この周辺が好きでけっこう歩いてはいますが、この舟山にはまだ行ったことがありませんでした。
地図には実線がない587mピークがそれですが、舟山そのものは植林で包まれた、今ひとつ面白みのない山でした。石祠があるので山頂とわかりますが、昨年の台風の仕業か、古い植林杉の倒木があったり荒れた雰囲気でした。
この日は山のライターの打田鍈一さんも同行されていたので、「取り敢えず山頂で一応集合撮影を」と高性能カメラのタイマー撮影をしていただきました。いい記念になりました。
今回の山歩きでは、地形図上の舟山への山道に赤線を新たに引くことが出来たわけですが、秀逸だったのはこの植林帯に入るまでの雑木の稜線の美しさです。
こんなに味わい深い山行もまったくの貸し切りで、誰にも会うことはありません。コロナ禍でもアプローチの電車内などに気をつければ、手近な場所で心ゆくまで静かな山を愉しめることに感謝でした。<写真は舟山山頂>