青森県の日本海側へ移動後、午後の時間を利用し「十二湖の森」へ行ってみました。想像していたより、観光地化された所でした。奥の駐車場に向かう道の途中からは、「日本キャニオン」と呼ばれている真っ白な不思議な岩が林立する山肌が垣間見え、ドキッとしました。
美しい自然と共に、どうして?と思わざるを得ないような不可思議な造形が至る所、自然には存在しています。その成り立ちの謎は、地球のダイナミックな歴史の中にあり、その結果の際どい均衡の上に、今の私たちが楽しんだり利用させてもらったりしているのを感じます。
自然を一方的に経済性から利用するばかりでは、この繊細で微妙な均衡も当然破壊されてしまいます。そしてその結果が、今の温暖化や或いは、このコロナ禍でもあるようです。
豊かなブナの森も、碧い池も、観光客を楽しませながら静かな様相をしていますが、目に見えないところで自然のバランスを精一杯がんばって保とうとしているのではないか…、そんなことも考えるのでした。
さて、いよいよ白神岳登山当日です。当初は雨を覚悟していましたが、晴れではないにしてもそこそこ天気がもってくれました。
普通は日帰りでのピストン・コースですが、遥々やって来ましたし、今回も山頂の避難小屋にてお泊まりです。昨年、建て替えられたばかりの“新築”とのこと♡
歩き始めてすぐに、こんな写真のようなブナの大木に出会います。想像するに、これは手近なブナで、人に利用された後の姿では?
少し行くと、いったん針葉樹(青森ヒバの植林地)の森になりますが、そこを通過すると「これぞ、白神岳!」と言ったブナ林に入ります。
とは言え、そこは広大な白神のブナの森のホンの“とば口”、そして世界遺産の白神岳のほとんどは立入禁止です。展望がよいという山頂に行き、その延々と連なるブナの森を眺めるのが待ち遠しい気持ちになります。
お泊り登山のいい所は、とにかくゆっくりのんびり歩けること。少しずつ登るにつれ、秋へと変化していく樹林の様子が圧巻です。
大きなブナの木を見上げると同時に、足元の小さな葉っぱや枯れ残った花の萼やキノコを見つける楽しさも存分に味わえます。これこそが山の楽しみなんじゃないか…? そんな風に、ゆっくりゆっくり登っていきました。
ちょうど半分くらいまで来たところで、一息入れてお茶タイム。
この続きは、白神岳に登っていき山頂の避難小屋で過ごした一日を記していきます。