里からよく見える山の一つとして、信州・安曇野からの常念岳は、甲州の甲斐駒ヶ岳と並んでダントツな名峰です。地元・松本の人は昔から「常念坊」と呼んで親しんできた山で、学校登山でも登られています。
安曇野方面に来るとその姿を目に留め、描かずにはいられず多くスケッチしているのがこの常念岳なのですが、何故かまだ登ったことがありませんでした。一度は行きたいと思いつつ何年も…、そこに先日、山仲間Mさんから突然のお誘いでトントン拍子に計画がまとまりました。
一泊二日の計画で、入山は傘マークの予報。登っている最中はずっとガスのなかで見通しはなしでしたが、同行のMさんのエンドレスのお喋りが、単調な辛い登りを存分に紛らわしてくれました。
明けて翌日は雲ひとつない日本晴れの好天。初めての常念岳では幸いにも、360度の大展望のなかで登頂できました。
ところで山頂では岩場の一角が何やら物々しい雰囲気となり、「NHK BS日本百名山」の常念岳特集の取材が始まり、ビックリ。
「声が入ってしまいますので、すみませんが暫くお静かにお願いします」と言われ、Mさんもお喋りを停止。収録では録り直し度々で、取材を受けていた写真家の渡辺幸雄氏は何度も同じことを喋らされたり、なかなか大変なんだ…と思いながらスケッチに集中していました。
<岩の上に座って取材を受ける渡辺幸雄さん>