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久しぶりの北アルプス2

いよいよ2500mくらいまで登ってきたので高山散歩と言った具合になってきました。それにしても高いところに居るけれど、かなり暑い。下界はいかばかりか…。

 

まずこの日は双六のキャンプ場から本来行く着くべき三俣山荘のテント場への移動です。コースは稜線上を行くもの、お中道、そして巻道。当然巻道ですが、これが意外と時間がかかり、とても昨日のうちに着くはずもなかったと納得。

 

巨岩やゴーロ、ハイマツ帯や美しいお花畑、風衝地形などなど面白い地形を堪能しながら、朝一番なのでまだ元気。『日本の山はなぜ美しい』(古今書院)など多くの著書がある小泉武栄先生の、地形の不思議さ、地質や植生の関わりなど本の内容を思い出し考えつつ山の景観を見つめると大変楽しいのです。

 

しかしこの移動で時間をかなり食ってしまい、予定の雲ノ平まで行こう!という計画がだんだん怪しくなってきました。どうも歩くのが遅すぎるようですが、せっかくの山、そんなにあくせく先に進むばかりではなく、ゆっくり楽しむのも一手です。とか言って、そもそも出発時間が6時でさほど早くなかったのです。<写真は三俣蓮華ならびの丸山をお花畑から見上げているところ>

やっと三俣山荘のテント場に到着しすぐにテント設営。

 

それにしても昼前の中途半端な時間です。これから何処へ行くにしても、行くだけならともかく、テントまで帰ることを考えると倍の時間が必要です。

 

せっかくいい場所に居るのだし、私としてはあまりジタバタせず、天気もいいのだし絵を描く時間もほしいな〜と思っていました。それにしても、まずは当初の目的でもあった「黒部源流の山旅」の面目躍如、取り敢えずそこまでは行こうということで出発。

 

この写真がまさに黒部源流です。本当の源流はこの谷をもっともっと遡ったところですが、ともかく、正真正銘の黒部源流の水に手を浸しました。

連れのTさんは、できれば雲ノ平へは行きたかったでしょう。申し訳ないなーと思いつつ、こんな所で絵を描いた人はまず最初で最後では…?、しばしここでスケッチタイム。

 

往路の下りでえらい時間を食ったコースも、帰路の登りでは意外と早くテント場に到着。一応の目的地到達でささやかな“祝杯”をあげた後、日暮れまでの2時間ほど、私はこの山旅のなかで最も集中した時間を過ごしました。テント場から正面に見える鷲羽岳を和紙全紙に描いたのでした。