9月半ばに行きそこなっていた「安曇野山岳美術館」、企画展の「杉山 修 山の木版画展」が25日までだったのでそれを主目的にでかけました。
おまけにいつもの山仲間のIさんが以前“ご執心”だった長野県中部にある青木村の里山も一緒に訪ねることにしました。青木村と言ってもかなりマイナーと思われますが、この安曇野と東は上田市の間当たりと言えばいいでしょうか。(山のことは次回「つれづれ」に)
まずは初日、早朝出発で安曇野山岳美術館に向かいました。山には低い雲が垂れ込め姿が見えず、安心して美術鑑賞に当てられます。
杉山 修さんは日本山岳画協会の会員、そして日本山岳会の会員でもあります。私は日本山岳会のルームに貼ってあるポスターでこの展示を知りました。
また白山書房季刊の『山の本』でも画文の特集投稿で作品をかつてより拝見していましたので、今回は是非、直に見てみたいと閉会間際でしたが足を運びました。
想像通りの見事な作品群。今回は安曇野という場所での開催のために、北アルプスを中心とした作品が多く並んでいましたが、大きなものもあり、その技術と集中力の迫力を直に感じることができました。
会場には実際の版木や何刷り目かの状態の作品、また使用している道具の展示もありました。
一つの作品に版木を5枚6枚…と彫り、刷るときには色を20〜30色ほども使用するとのこと。想像するだけで大変な作業ですが、出来上がった作品はそうした苦労を超越して静かに山、自然の版画ならではのキリリとした美しさを表現しています。
(写真は手前が何刷り目かの状態、向こうに見えるのが三枚の版木)
この美術館には小さいながらとても雰囲気のよい喫茶コーナーも設けられており、ただ絵画の鑑賞だけでなく、山と芸術に親しめる時間をゆったりと過ごすことができます。
当日はそこで美術館の代表をしてらっしゃる岩佐さんと学芸員の三澤さんともお話する機会を持て、遥々お訪ねしましたが、とても充実した訪問となりました。
毎年こうした企画展を準備されているようで、すでに来年の予定は決まっているそうですが、いつの日か、こうした静かなアルプスの麓の美術館での展示のチャンスが頂けたら・・・と言う思いを以って安曇野を後にしました。
(写真は喫茶室から眺めた庭の佇まい)