神奈川県・厚木の荻野地区を活動の場にしている「西山を守る会」、梅雨時の山行は雨で翌日に順延。夜中もしっかりと雷雨だった翌朝は好天で気温もグングンと上がり、まさにこれはヒルがご機嫌な条件。
その日のコースはホームグラウンドの西山三山をちょっとはずれ、裏側の「坂尻バス停」から「リッチランド」(何がリッチなのだろう?緑豊か?)という施設を通って稜線に取り付くものです。
バス停からしばらく車道歩き、すぐに汗が吹き出しましたが、本当の汗(冷や汗?)は取り付きからの植林帯でした。写真のような“おむすびコロリン”の登りですが、ただの登りではない。この尾根に乗るまでのトラバース箇所でのヒルと言ったら、久しぶりの多さでした。ゼイゼイと登っている足元、靴を見ればすぐに3、4匹はくっついていて、最初は塩水をかけていましたが、それも追いつかず、あとは次々手ではたき落とす!
が、ダニとかハチと違い気持ちは悪いけれど、食われても痛くもないし、吸血し終われば自分から離れます。問題はその後、出血がなかなか止まらないことです。
とは言え、ある程度尾根を登ってしまえば、グッと少なくなります。慣れている西山メンバー達は事前の対策も怠りなく、そんな所を通過してもほぼ食われることなく半原越へ向かう稜線に無事到着。
♦事前の対策、ご参考までに:ヒルの山を登る靴を予め決めておき、塩水やヒル用の薬を吹きかけ(染み込ませ)ておく。そして膝下までの女性用ストッキングを登山用靴下の上から履いておく=ストッキングの細かい目に、ヒルは入り込めない。塩水やアルコール、ヒル対策の薬剤を持参して歩く。また、写真のようにザックは地面に置かない。
ヒルが靴や靴下に付いても、肌にまで到達させなければいい訳です。肌色のストッキングはそのためのものです。(なのでスパッツを付けることは逆効果です。なぜならスパッツ内に入ってしまったヒルは取り払う事ができずに、その中の足はいい餌食です。)ちなみに、私は登山靴が痛むので今回は塩水も何も施していませんでしたしストッキングもなし。普通の山登りの足元でしたが、ヒルがつく度に手で払い落としていた(ストックなどでは吸引力が強いので剥がれません)ので大丈夫でした。余裕がある時には、すかさず落としたヒルに対しても塩水などを吹きかけ、撃退していました。万一血を吸われた場合、コロコロに太ったヒルは確実に撃沈した方が賢明です。卵を生むための吸血なので。
当日は梅雨時では珍しい展望の良さで、前日の雨と風が都会の塵も吹き飛ばしてくれた様子でした。
展望のきく林道途中からは、横浜ランドマークはもちろん、都心の高層ビル群の合間にスカイツリーや、少しずれると筑波山。そして日光方面の山でしょうか…ずいぶん遠くまで見通せました。
暑いと言っても真夏とは違いますし、特に山中では緑を渡ってくる風の心地よさに救われました。ヒルが居ても、県内の低山でも、とにかくやっぱり山はいいな〜と思った、「西山を守る会」メンバー達との楽しい月例山行の一日でした。