年末近くになると、いろいろと気ぜわしいこともあり近場の小山にでかけます。この日は東丹沢界隈のクマ調査をしているHさんの案内で、鐘ヶ岳となりにある「見晴台」に連れて行ってもらいました。鐘ヶ岳は561mの低山ながら山麓の広沢寺温泉からは均整の取れた美しい独立峰として見える山です。
初心者の頃、それも生まれて初めての一人での山歩きがこの鐘ヶ岳でした。ガイドブックを読み込み小田急本厚木駅から不安のなか、神奈中交通のバスに乗車して行った日のことは今でもよく覚えています。お粗末なことですが、あまりの緊張に一生懸命歩きすぎて昼前には下山してしまい、持参のお弁当も食べるチャンスを逸してしまったのも今ではいい思い出です。
当日はその鐘ヶ岳を回り込んだ林道ゲート手前まで行き、見晴台に向かって登り始めました。写真は稜線に乗ったところで眼下に鐘ヶ岳を眺めた所です。遠景は神奈川や東京の都会がくっきり見えます。
軽いハイキングと言ってもそこは丹沢。脆い岩質のザレた急登を繰り返して行きます。場所によっては両側が切れ落ちているので、要注意です。急登をこなすと、谷を挟んで大山三峰山の南峰・北峰が同じくらいの目線に見えるようになりました。
もっと先まで行けば相州大山が大きく見えると思い進みましたが、あまりいい展望も得られず、手前の展望地=見晴台=にてシートを拡げ、目の前の三峰をスケッチしながらゆっくりと昼時間をくつろぎました。大山はその日もきっと沢山のハイカーで賑わっていたでしょうが、この見晴台は完全な貸切。丹沢の隅々まで熟知しているHさんのおかげで、安近短で静かな山歩きを楽しめた年末でした。