読売新聞夕刊に掲載されてきた、みなみらんぼうさんが山登りをして取材した『一歩二歩山歩』がこの度1000回を以って終了したそうです。
今回の1000回終了記念に合わせて開かれた連載の挿絵原画展が大手町の読売新聞本社のロビーで開催されていたので、情報提供をしてくれた山仲間のKさんと見に行きました。山のイラストレーター・中村みつをさんの絵葉書よりちょっと大き目の作品が約100点選ばれ、なが~いケースのなかに整然と展示されています。私も何度かみつをさんの個展に伺ったことがあり、その作品の美しさに毎回うっとりしていますが、今回はこんなに沢山の原画を一斉に目にでき、幸せな心地でした。
初期の頃はモノクロだったり、絵のなかに必ず?みなみらんぼうさんが登場していましたが、だんだんと行った山の特徴や思いが前面に出された「みつをさんワールド」に絵が変遷していくのも見ていて楽しいものでした。
掲載の時間軸の流れに沿いながら、けっこう関東首都圏近辺の親しみある山も多くあったり、もちろん多くの人が知っている有名な山もあり、また海外の山もあったり……。この企画、絵の選択などにずいぶん悩まれたのではないでしょうか? 全体を通しても美しくレイアウトされた展示でご苦労がうかがわれました。貸し切り状態でゆっくりと鑑賞した後、午後からはもう一つの展覧会に足を運びました。
鶴見画廊(横浜)で開催されている『真昼にも輝く星たち展』です。8人ほどのグループ展で今回で9回目。出品者の一人に、以前私と「二人展」を開いた日本画の古川茂子さんが居ます。彼女は絵と同じ(それ以上の?)情熱を土器・埴輪作りに向けていて、自分で採取した土をこね野焼きにて作品づくりをしてます。且つそれをモチーフに絵も描いていて、なんと云う循環制作!
けれど私が山を描き続けたいと思う気持ちと同じように、彼女は土器に深い愛着があるのだと思います。好きなものを描けるのは、絵描きにとって最も幸福なことです。
いい展覧会をハシゴできた一日でした。