さて今日は只見で経験した「シナノキの皮剥ぎ」作業のご紹介です。
この写真は和子さんの工房『只見雪国の手仕事』で展示品は和子さんのコレクションである様々な手提げバッグ、これらがシナノキの皮で編まれたものです(一部、他の素材もあり)。バッグの右下に束ねてあるものが製品化する時に使うシナノキの皮です。この原材料を山に採りに行くのです。
これがシナノキです。ちょっとブナに似た模様のある美しい木です。皮剥ぎという作業は木の心材(中心に近い部分)と形成層(その外側の部分=シナノキではコルク状にちょっとモアモアした感じの部分)を剥がす作業です。木の種類によってそれぞれの時期があるそうですが、梅雨時の6〜7月頃、木は沢山の水をあげます。その時期を見極めて皮剥ぎをするとツルリン!と云う感じで気持ちよくはがせるのです。マタタビ、クロモジ…とそれぞれの時期があるそうで、「山の師匠・彦爺」にはそれが分かるのです。
今回はその“彦爺”の後に付いて作業に連れて行ってもらいます。この山は彦爺の持ち物、和子さんは手仕事用の材料を収穫するためにやる気満々です。しかし、山の恵みを頂くわけです。皮をきれいに剥がされた木はもう生きていけません。木の命をいただく作業、和子さんは一皮も無駄にしないように終始、しぶとく作業をしていました。
手提げバッグの他にマタタビではザルを、ヒロロという草で手提げかご、その他アケビやヤマブドウの蔓でも籠を作ります。大変な技術と根気の作業、冬期長く深い雪に閉ざされる雪国ならではの生活・伝統手仕事です。<作業の様子は下記の写真にて順を追ってご紹介します>