痛めていた足の調子がだんだんと良くなってきたので、足慣らしで福島の吾妻小舎(山小屋)に行きました。磐梯吾妻スカイラインが通り車で至近まで入れる利便性と、天上の楽園とも思しき浄土平や鎌沼に続く湿原歩きがちょうどリハビリにいいと考えたからです。
梅雨前線も福島北部までは届かずに、強風に乗ってモクモクとダイナミックに動く雲と青空のコントラストが美しい天候のもとゆったりと散策しました。
(一面にワタスゲが咲く浄土平の湿原から見る一切経山)
今回は山登りというより、のんびり自然のなかで過ごしスケッチができたらいい…と余裕をもった計画でした。そのため“寄り道”も多く、まずは浄土平にある福島市の天文台に立ち寄りました。ちょうど運営管理をしていらっしゃる台長さんとお話しできました。
この施設は1600mという日本一の高所にある天文台で観測環境は良いはずですが、伺えば昭和の施設であちこちが老朽化、また機材もアナログ仕様で今のデジタルに対応できない難しさなどがあるそうです。また驚いたことにここは独立した施設として管轄運営されているのではなく、形としては福島市の観光課の施設とのこと。それ故?予算も殆どつかない現状のなか、台長さん始め天文好きの仲間の方たちの組合組織のなかで何とかやり繰りをし運営されている施設であること、また中の展示品もお手製(天体写真は台長さん自らの撮影作品等など)であったり天文台の受付も昼夜手弁当でされているわけです。
いろいろうかがって頭の下がる思いがしました。高所での天体観測施設としては条件に恵まれているでしょうし、福島市も原発事故とその処理問題など多くの課題を抱え大変な事情もわかりますが、こうした貴重な施設にはもっと多くの予算やマンパワーの支援が必要ではないのか?と真剣に考えさせられました。