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お正月は千葉の山

ここのところ毎年のようにお正月や真冬の時期には千葉の山に行っています。今回も昔の山の仲間が声をかけてくれ、それに私の中高時代の友人も誘い5人での新年ハイキングとなりました。行き先は千葉で一番ポピュラーな山、鋸山です。登山口の金谷まで千葉在住の仲間が車を出してくれると言うので、一案、久里浜〜金谷間の東京湾フェリーを使うことにしました。調べてみると横浜駅から京浜急行でのおトクな往復きっぷがありました。横浜⇔京急久里浜往復、久里浜港までの京急バス往復、そして東京湾フェリーの往復がついて¥2290-也。フェリー乗り場に着いた段階からすでに非日常の旅気分が盛り上がり、お正月の山としては出だしから「こいつは春から縁起がいい〜!」のであります。

(写真は鋸山山頂から、眼下に金谷港を見下ろし、東京湾越しには富士山が見えます)

この日はJR内房線・浜金谷駅の駐車場に車を置いてそこから歩き始め、登りは「車力道・しゃりきみち」、山頂を踏んでから一旦分岐に戻り展望台に出て、下山は「観月台」経由で再び駅に戻るコースを取りました。多くはロープウェイを使って磨崖仏や「地獄のぞき」などをめぐる日本寺境内見学コースの観光ですが、さすがお正月休み、この日は私たちと同じように下からちゃんと歩いて登る家族連れなどが沢山で、登山道も賑わっていました。

 

鋸山は良質な房州石が産出する山として江戸時代以来の石切場が残されていますが(自然保護規制の為に1982年を最後に砕石終了)、その結果ギザギザのノコギリの歯の様に見える山が、ご存知の通り今は観光名所となっています。

車力道は当時の石搬出の様子が残る轍のある敷石がずっと残っていました。その後目にする石切場の現場を支える道であり、昔の人は人力だけで一体どうやって砕石し運搬したのか…信じがたいことです。

それにしても、砕石されなかった鋸山は常緑樹に包まれたうねうねと波打つような房州の山並みの続きとして海際に長く連なっていたのだろうと、江戸時代の砕石前の姿を思い浮かべもしました。良しにつけ悪しきにつけ、人の営みの大きさに驚くハイキングでありました。

オマケ

観月台コース途中にあった「京浜急行グラウンド」ですが、興味を引かれました。手持ちの「新・分県登山ガイド[改訂版]千葉県の山」(2012年版)に掲載されている写真は、上の写真に載せた石造りの東屋は屋根付きでした。その後、老朽化で危険なため、撤去されたのかもしれません。基部だけ残る展望東屋は、一見「テルマエ・ロマエ」のようでした。(ベンチも残っていて全然違うけど・・・)

京急グラウンドについては石碑もありました。また検索で詳しい情報もありました。ロープウェイによって廃れてしまった施設のようですが、私には何故かこの日、一番心に残るものでした。(下の写真はクリックすると大きくなります)