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銀山平の宿

いかにも“昭和!”と言った雰囲気の部屋です。庚申山登山に利用した「銀山平」の温泉宿「かめむら別館」の食事に使った広い日本間です。ここも客数が多いときには通常の客室として使うはずです。

 

今時すべて襖と障子、個室の鍵もなく、トイレも共同、でも宿泊の部屋はどれも二間続き。なんとものんびりしています。テレビはありますが自動販売機もなし、携帯の類いはdocomo以外は通じず。

 

しかしお肌すべすべ美人の湯の温泉で食事は山のものを主に山女や鹿肉、猪汁もありました。どれもおいしく、加えてご飯の旨いこと! 山に行って体重は確実に増えて帰ってきました。こういう‘施設・設備’はちょっと…どうも…という方にはお勧めできませんが、山屋的には何ともホッとする宿でした。贅沢なことは何もないけれど、静かな昔ながらの山旅をどこまでも味いながら寛げる宿だったのです。

 

 今回の山行メンバーは昔の社会人山岳会の仲間でした。今時の山ガールや山ボーイとはまるで違う一昔・ふた昔前の出で立ち・価値観の私たち、だからこうした温泉宿をより好む訳ですが、それでも設備の古さなどを補って余りあるような‘宿の良さ・もてなしの良さ’を感じるからこそ、異口同音「こんど又来る時にもここだね〜」などと言い合うのでした。

 

 実は銀山平にある登山口最寄りの国民宿舎「かじか荘」が改修工事中で休業だったのです。そこで探し当てたのがこの「かめむら別館」、それでむしろ良かったと思っています。ちなみに本館?の亀村旅館は通洞駅近くに看板がありましたが、現在は自宅として使用している様子で営業はしていませんでした。足尾銅山の観光客も何時の頃からか泊り客は居らず、「庚申の湯」の天然温泉宿としての銀山平別館のみを営んでいるようです。

(写真は庚申川を小さな橋で渡った向こうにある「かめむら別館」 今では手前の植林が育ってしまい、対岸道路側から宿の全体を見通すことは難しくなっています。)