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烈風の安達太良山

新幹線が郡山から福島に向かう頃、左手に美しくなだらかな山容を呈しているのが安達太良山です。冬は真っ白、そしてこの三月はもっとも雪がたっぷりとついている時期ですが、山頂付近は猛烈な強風で名立たる山でもあります。往路、東京駅の新幹線ホームでかなり軽装な「山ガール」姿の女子が居たので「どこの山へ?」と尋ねると「安達太良山です」と。エッ!その軽量ザック・格好で?と内心驚きましたが、こちらはしっかりとフル装備でのぞみました。

(写真は晴れている薬師岳ーゴンドラ山頂駅付近ーから見えた山頂部)

冬期は「あだたらロープウェイ」は運休、下のスキー場ゲレンデから歩き始めますが、湿っぽい雪もだんだんと上に登るにつれサクサクとした感触になっていき、同時に風もだんだんときつくなってきます。

 

樹林帯も雪に埋もれて頭部分を出しているくらい、樹林限界を越すと風も本格的に吹き荒れてきます。山の天候は変わりやすく晴れているかと思えば、いつの間にやらガスに包まれ真っ白な世界に。山頂直下のあたりで、完全なホワイトアウトになりました。

 

身体がふらつく位の強風のなか、しばしツェルトをかぶって様子見をしていましたが、益々白くなるばかり。今回は4人パーティーでしたが、リーダー判断にて潔く下山開始することにします。無理は禁物、充分雪山を楽しめました。

下りは早い! 下のゲレンデまで来ると上のホワイトアウトが嘘のような明るさです。少しの時間で晴れ間が出てきたようですが、逆にこれだけの差であの状況の厳しさ、雪山の恐ろしさを実感しました。