この時期、西上州などの山々ではアカヤシオが美しく咲き、山登りの楽しさを一気に盛り上げてくれます。今まで中々その花期ぴったりに訪問出来なかったのですが、今年は鳴神山に行くことが出来ました。
登り詰めた山頂付近では可憐なピンク色の花が迎えてくれました。満開には今一歩ということでしたが、翌日から天気が崩れるという予報でか、平日にもかかわらず大変な人出で、普段静かな山ばかり歩いているので、それにもビックリでした。地元の人たちに愛されている山なのです。(7、8人の地元パーティーが立入禁止ロープをはる作業など、アカヤシオを守る整備をしていました。)
お昼は双耳峰になっている山頂の桐生岳でゆっくりすることにしました。一角のベンチにてビールと手製おむすびで「祝宴」をしている男性二人連れの横のベンチにお邪魔して、こちらもランチタイム。で、すぐにスケッチタイム。それまでご機嫌に宴会中だったお二方が興味深そうに私のスケッチ光景を眺めています。
ちょっとお話しするとビックリ、白山書房の季刊雑誌『山の本』(私は本文挿絵と画文の連載を担当しています)の読者でもいらして「あの本はいい本だ」と嬉しいお言葉。そして「絵が描けたらいいな〜」ともおっしゃりながら「山に居るだけで仕合せ」「山のことを思っているだけで楽しい」との会話から、お二人が本当に山を愛してやまないのが手に取るように感じられました。若かりし頃は一ノ倉岳などの登攀もなさったとかで、相当な山歴をお持ちなようですが、今はこうして花を愛でながら大好きな山に居られて幸せとのこと。私も「山の絵」の名刺をお渡しして、偶然のいい出会いがアカヤシオの可憐な色合いと共に山土産として心に残る山行となりました。
そして後日、ご連絡をいただき画文集『心に映る山』をお求め下さいました。感謝♥でありました。