大学時代、同じ油絵科のクラスで四年間一緒に学んだ友人が昨年末に悪性リンパ腫で亡くなりました。
三十代の半ばにニューヨークに渡り、アルバイトをしながら帰国することもなくコツコツと作品を描き続け、ここ数年ではコレクターも在るほどの作家活動、“real painter”ー現地友人言ーだったようです。
学生時代から優秀だったけれど、温和で心優しい人柄から生まれる作品には静謐な空間が拡がり、作家として本当ならこれからもっと創作してほしかった…、ひどく残念です。
昨年、私はそのAさんの見舞いなどで入院先や地方の実家などを行き来しつつ過ごした十ヶ月間でしたが、海外で元気に活躍し続けていたら会うこともなかったかもしれません。油彩だけでなく、青墨を使い香るような美しい文字を書き、加え篆刻も見事に造っていたその人の、雪の日・今日は60回目の誕生日でした。