秋のつくタイトル第三弾は昨年に引き続き霧ヶ峰高原の秋です。
昨年よりちょうどひと月遅れで訪ねているので、いっそう秋の深まった高原が拡がっていました。夏に花を咲かせていた植物はすでにみな種をつけた姿となり、そのモノトーンの色合いに赤味をさした秋色が美しい自然のアクセントとなって映えています。空の青さが湿原の池塘に映り、その色が枯れ草色の湿原の草原とこれ以上の組み合わせがない配色で呼応しあっていました。
今回のこの秋の旅は、ある思いがけない人とのものでした。
この「山の絵」ホームページを介してアメリカの西海岸に住む方から画文集『心に映る山』の注文を頂きました。それだけでも驚くようなことでしたが、コメントに「私は中村清太郎の孫です」と。それを見た瞬間、私はコンピューターの画面の前でのけぞってしまったのでした。中村清太郎、日本の山岳史の中でも名を残す明治期の登山家、そして山岳画家でもある人物です。
そのお問合せをきっかけに度々のメールのやり取りをしている中で、その女性が自分と同世代と分かり今度は一気に親しさが増しました。そして数ヶ月にわたるメールのやり取りのなかで、この秋の来日に合わせての小旅行が実現したのでした。