この秋、現代詩人の正津勉(しょうづ・べん)氏が山岳書出版老舗の茗渓堂(めいけいどう)からこの本を上梓されました。日本各地の名山を実際登りながら、その山にまつわる詩歌を傍らに、詩人である正津氏ならではの魅力的な文体でご自分の山行にからめて縦横無尽に語られている魅力的な一冊です。
今日はそのご本の出版記念の会が東京・信濃町にてありました。このジャケットの絵を担当させてもらった私も、おいしい食事と歓談で楽しいひととできを過ごさせてもらいました。
「あとがき」にて正津さんは「山が好きな人はいっぱんに本を好んで読まれない」と少々嘆いていらっしゃいますが、そうでしょうか? そうだとしても、この本の魅力は山から離れたとことにも十分にある、もとい、本題は寧ろ「山屋」から離れたところにあるのでは?と感じるのは、私一人ではないと思います。無限に拡がり自然に溶け込む「ことば」が魅了する世界に足を踏み入れていただきたく思います。
茗渓堂 ☎03-3221-1870